
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
子猫を抱き抱え、相葉さんを睨み付けながら横をすり抜ける
困惑する担当さんにはちょっとだけ罪悪感を覚えながらも、それでも収まらないイライラに足を止める事が出来なくて
俺を引き留めようと腕を掴もうとして、子猫を思い出してそれを止める相葉さんの足を後ろから蹴った
「かずっ、話を…」
「うるさいっ!」
バタン!と勢い良く玄関のドアを閉めて子猫と共に廊下を走って
…走って行きつく先は
「…で?」
思い切り呆れた顔で腕を組み、俺を見る、櫻井さんと大野さんの暮らす……階違いの、部屋
「だって、ひどくないですか?!」
「いや、うん、まあ、…だけどさぁ」
テーブルを壊す勢いでふーふーと息荒く訴える俺に、櫻井さんの目は冷ややかだ
ちなみに猫は大野さんと遊んでいる
どっちが猫だか分からないくらい、紐をオモチャに転げ回っている姿は、年上とは言えちょっと可愛い
「でも、保健所に『連れてく』とは言ってないんだろ」
「それは……はい」
櫻井さんに言われて少し冷静に考えてみたら、確かに相葉さんも担当さんも『連れてかなきゃ』とは言ってない
