
友達のままがいい
第2章 現在
「何か飲む?」
「んっ…水…飲みたい…」
その言葉に冷蔵庫から冷たい水を持ってきた。
「はい。お水。起きて」
お水を差出しても半分夢心地なのか起きようとはせず、ボーっと私を見つめたままだった。
「起きないと飲めないから…則ちゃん?」
「んっ…文香、飲ませて…」
甘えながらトロンとした目で見つめながらそう言った。
その言葉の意味が分からず、どうしたものかと考えていると、則ちゃんが両腕を上げて何かを探しだした。
その手は宙を彷徨い、そして私の頬に触れ指が唇をなぞる。
その間、トロントしていた瞳はしっかりと私をみつめ、寝ぼけているわけではないようだった。
そんな則ちゃんは思いもかけない言葉を口にする。
「その口で飲ませて…」
そう言った彼は抵抗しない私の頭を自分の顔に近づけ、水も含んでいない唇を…
重ね合わせた。
