
友達のままがいい
第6章 未来
「…嫉妬なんてする必要はないよ。…文香が知らないだけで…お前と会うときはいつも持ってきてた…ずっと昔から…」
「ずっと…前から?」
少し照れくさそうにする則ちゃんにどういうことなのか問い詰めると白状した。
「成人式で再会してからいつも持ち歩いてた…もしかしたらって…もしかしたら文香が俺の事好きになってこういうことになる日が来るかもしれなって…馬鹿だよな…何も言わない俺と文香が付き合えるわけないのに…」
「でも…今日は言ってくれたよ」
お互いに好きなのに、好きという心に蓋をしてきた私たちが気持を開放した。
そのきっかけを作ってくれたのは則ちゃんだった。
「…他の男に取られたくないって思ったから…この前…文香と中里が一緒にいるところ見たんだ…仲良く歩いてる姿見て…あいつにだけは渡したくないって…あいつ以外にも俺以外の男に触られたくないって…このまま他の男のモノになったら俺…絶対に嫌だと思って…」
