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友達のままがいい

第6章 未来

則ちゃんの話に思い出すのは数週間前の事。
仕事帰りにばったり会い色々と話して私の背中を押してくれたあの時…

「見てたんだ…」

「ああ。仕事で近くにいたんだ。もしかしたら文香と会えるかもと思ってたら中里と一緒にいる文香みかけて…あいつ!俺が見てるの知ってて文香にキスしやがって!」

その時の事を思い出したのか、顔を歪ませる則ちゃんを見ながら首を傾げた。

「私…慶介とキス…してないよ?」

どんなに思い返しても慶介とキスをした覚えはない。
それに慶介には心から好きな彼女もいる。

「慶介ね。私より好きな彼女がいるんだって。彼女と出逢えて幸せだって幸せそうに笑ってたよ。だから則ちゃんの見間違えだよ」

そう伝えても納得できてない則ちゃんに、安心する言葉を伝えた。

「慶介は…私と則ちゃんがつきあうことを願ってる。私が則ちゃんの事、昔から好きなの気がついていたから…本当に応援してくれてるの。このまま友達でいてそれが続くとは限らないって教えてくれたのも慶介なの。もうお互いに別々の道を歩んで、お互いに好きな人は他に居るの。だから、これから先、間違いが起きることは決してない…」

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