
友達のままがいい
第3章 (過去)中学生
「あれはっ…お前たちが急に大人びて…話づらかっただけだから…それに、美春が文香と話すの嫌がってて…」
バツが悪そうに最後は小さな声になった。
美春とは則ちゃんの前の彼女の名前で、謹慎処分になるきっかけになった女の子。
もともとは別れた彼女が教室で泣きながら則ちゃんと別れたことを話したことがきっかけで尾ひれがつき広まった。
本当は則ちゃんが悪いんじゃない。
則ちゃんがあんなひどいことをするような人じゃないことは私が一番分かっている。
「ねぇ…学校にでてこないの?」
仲が良かった時はあれほどまでに何でも話せていたのに今は言葉を選ぶ関係が寂しく、それだけ私たちの距離は開いてしまった。
それでもここに来た一番の目的のことを聞くことができた。
すると則ちゃんの笑顔が固まり、困ったような顔でため息をつく。
「さすがに…ねぇ…あそこまで話が膨らむとは思わなかった。本当にまいった…」
則ちゃんは辛そうな表情をした。
