
友達のままがいい
第3章 (過去)中学生
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「のっりたっかく~ん。あっそびっましょ~」
月曜日の朝、小学校から仲が良かった私たち7名は則ちゃんの家の前にいた。
昔のようにみんなで声をそろえて則ちゃんを呼ぶ言葉は懐かしく、みんなの表情も同じだった。
少しすると、寝起き姿の則ちゃんが2階から顔を出し驚いた顔で見下ろす。
「のり~。早く準備しろ~。月曜早々遅刻は勘弁だからなぁ」
「のりちゃ~ん。おはよっ!!寒いから早く準備してね~」
「そうそう。俺たち受験生なんだからなぁ。風邪ひかせるなよ!」
「今まで寝ているとか余裕だよね~。頭がいい奴はこれだから嫌いだわ」
「私たち2人は途中まで一緒に行くわよ~」
「本当にいい迷惑だよなぁ~…まぁ、俺たち私立組は受験ないからいいけどね」
「はぁ~?何それ…むかつくんですけど?」
「当然だろう?小学生のころ受験頑張ってるんだから、今ぐらい楽したって」
それぞれが則ちゃんに声をかけ、市立・私立組が対決して場を和ませる。
そのノリは昔と変わらない。
