
友達のままがいい
第3章 (過去)中学生
「則ちゃん。みんなで迎えにきたよ~一緒に学校行こう!!」
最後に私が声をかけ、Vサインを見せる。
そんな私たちを見た則ちゃんはとてもうれしそうな顔をして涙を拭うのが見えた。
その表情を見て来てよかったと思う。
「10分待って!!すぐに用意する!!」
則ちゃんは嬉しそうに声を張り上げ部屋の中に消えた。
その姿を見て、みんな安堵の表情を浮かべ笑った。
「則ちゃん相変わらずだね」
「相変わらずのお寝坊んさん??」
「何年たっても変わらないね」
朝が弱い則ちゃんのためにみんなで迎えに来ていたことを思い出す。
こんな風にみんなで外から則ちゃんの名を呼んで、慌てて着替える則ちゃんの姿は今も昔も変わらない。
少し大人になった今でもそれは変わることはない。
どんなに疎遠になっても集まればすぐにあの時間に戻ることができる仲間は素敵だと改めて思った。
それを信じて私はみんなに声をかけたんだ。
