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友達のままがいい

第3章 (過去)中学生


『俺も大事に持ってるよ。俺の宝物なんだ』

『俺も…さすがに付けるのは恥ずかしいから持ち歩いてるだけなんだけどな』

『それ分かる。俺も恥ずかしいからポケットにしまってる』

『私たちの学校は禁止されてるからつけられないのよね。だからお守り袋作って肌身離さず持ってるよ。慎一郎の分もお揃いで作っちゃた』

みんなが同じ気持ちでいたことに驚き、それ以上に嬉しい。
疎遠になり、もう友達でもなくなったと思っていたのは私だけで、心はちゃんと繋がっていた。

『明日…みんなで迎えに行こう』

みんなの言葉が嬉しくて声をかけると、誰も嫌だとは言わなかった。
私立組のふたりも、少しなら遅刻しても構わないから迎えに行きたいと言ってくれた。
則ちゃんの朝身支度と、私立組に遅刻してほしくなかった私たちは月曜日の朝6時に則ちゃんの家の前で落ち合うことを決めた。
そして誰一人かけることなく集まった。

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