
友達のままがいい
第3章 (過去)中学生
家の中では則ちゃんとお母さんの声が聞こえてくる。
お母さんの声は心配している声音だったけど則ちゃんの返事は元気いっぱいだった。
「大丈夫!俺は一人じゃない、あいつらがいるから」
そんな声と共にドアが開き、学ラン姿の則ちゃんが現われた。
「待たせたなっ」
いつものように笑って偉そうに言う。
だけど、則ちゃんが玄関から先に出ることはなかった。
いつも何十分と立ちすくむ場所。
そこを乗り越えられなければ則ちゃんは前に進むことはできない。
「何が待たせたな!だ。おせ~よ、ば~か」
玄関から出られない理由を知っているみんなは、あえて何も言わず昔と同じ対応をする。
そして男の子たちは則ちゃんを取り囲み、肩を抱いて家から連れ出した。
たったの一歩だけど則ちゃんにとっては大きな一歩に違いない。
則ちゃんの苦しみはこれで消えることはないけれど、何があってもそばにいてあげたい。
則ちゃんがみんなに囲まれて門を出て歩き出すと、お母さんが外に出てきて深々と頭を下げた。
私もお母さんに頭を下げて則ちゃんたちの後を追った。
お母さんの声は心配している声音だったけど則ちゃんの返事は元気いっぱいだった。
「大丈夫!俺は一人じゃない、あいつらがいるから」
そんな声と共にドアが開き、学ラン姿の則ちゃんが現われた。
「待たせたなっ」
いつものように笑って偉そうに言う。
だけど、則ちゃんが玄関から先に出ることはなかった。
いつも何十分と立ちすくむ場所。
そこを乗り越えられなければ則ちゃんは前に進むことはできない。
「何が待たせたな!だ。おせ~よ、ば~か」
玄関から出られない理由を知っているみんなは、あえて何も言わず昔と同じ対応をする。
そして男の子たちは則ちゃんを取り囲み、肩を抱いて家から連れ出した。
たったの一歩だけど則ちゃんにとっては大きな一歩に違いない。
則ちゃんの苦しみはこれで消えることはないけれど、何があってもそばにいてあげたい。
則ちゃんがみんなに囲まれて門を出て歩き出すと、お母さんが外に出てきて深々と頭を下げた。
私もお母さんに頭を下げて則ちゃんたちの後を追った。
