
友達のままがいい
第3章 (過去)中学生
「みんなと出会えてよかった。また友達としてつきあえてよかった」
本当にそう思い、これ以上の友達はできることはないと感じていた。
「俺も…みんなありがとうな。みんなのおかげで無事に卒業することもできた。笑って卒業式に出ることもできた。みんながいなかったら…きっとここにいないと思う。だからありがとう」
私の言葉を引き継いで則ちゃんが私たちに頭を下げた。
それは則ちゃんなりの感謝だった。
「いや…俺もさ、同じクラスなのに見て見ぬふりをしてたんだ。殴られてもおかしくないようなことをした…それでも、こうやってまたつるむことができて俺はよかったと思ってる、文香…ありがとな。あの時、声をかけてくれて」
「ううん…私もみんなと同じだよ。自分の世界が忙しくて、みんなのこと気にも留めてなかった。則ちゃんの事はきっかけに過ぎないだけ…きっとあんなことがなくたって…きっと集まってたと思うよ」
「そうだな…どんなに間が空いたって絆は変わらない…これがある限り、俺らは友達だよな」
