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友達のままがいい

第2章 現在

会社から少し離れた裏路地に、私たちの行きつけの居酒屋はある。
看板も出ていない小さな店。
夫婦二人で切盛りできるぐらいの広さで、行き届いたサービスとご夫婦の人柄が常連の足を呼び寄せ、一人でも落ち着ける店だった。
元々は私だけが行きつけの店だったのが、いつのまにか則ちゃんも常連客になっていた。

「ふみちゃん、のりちゃん、お疲れ様!!いつもの席どうぞ~」

暖簾をくぐるとカウンターの中から大将が笑顔で出迎えてくれて、この笑顔にホッとする。
店内を見渡せばほぼ満席。
といってもカウンター5席に4人掛けのテーブル2席。そして私たちの指定席の2名用に作られた半個室が2席。
半分ぐらいが見知った顔で軽く会釈しながら指定された席に向かう。

「勝手にお絞りもって行くね。とりあえずビール2杯と2000円ぐらいで適当におつまみお願いします」

と勝手知ったるなんとやらでおしぼりを2つ手に取り席に着く。
2人でやってるせいなのか、常連客はできることは自分でする暗黙のルールができていた。
大将と女将さんが忙しそうにしてる時は生ビールだって自分でついだりもする。
そして自分で伝票にチェックを入れる。
お互いが信用しあっているからできる事。
こおいうのもあって好きになったお店。

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