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友達のままがいい

第2章 現在

頬をつねられて痛かったけど、直に触れて貰えてどこが喜んでいる私がいた。
別に私がSとかそういうんじゃない。
ただ、触れたくても触れられない関係の今、どんな形にせよ、触れられたのがただただうれしかった。


恋人でもない、ただの友達。


触れたいけど触れられない、ただの友達。


抱きしめたいけど抱きしめられない、ただの友達。


いつも前を歩く彼に手を伸ばして触れたいと思っても、その手を引っ込めてしまう。
その時の寂しさにいつも泣きたくなる。
いつも則ちゃんに触れて彼を感じたいと願うけど…あの時に私は決めた。


―――――恋人になればいつかは終わりがやってくる、それならば友達がいい


と…
友達なら弱ったときに側にいつでもいられるし、この先ずっと傍にいられると思っていた。
そう思っていたけど、やっぱり触れられない関係はつらくなる。
こんなに近くにいるのに触れられないことがこんなにつらいとは、あの時は考えもしなかった。
だからと言って今更どうしていいのかも分からない。
今の関係が永遠に続くわけがないと分かった今でも、この関係を壊したくはないと思う私もいた。

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