
俊光と菜子のホントの関係
第8章 『かけがえのない兄妹』
――菜子の言ったことが、胸にグサッと刺さって、痛い。
涙が込み上げてくる。
『そうだよ。俺達は……ホントの兄妹じゃないんだ。だから顔が似てないんだよ。当たり前だろう』なんて……
そんなことを、悲しんでる菜子に言えるわけがねぇだろ。
だけど……それが事実なんだ。
父さんと母さんが、あんなことを言って嘘をつくような親じゃないのはわかってるから、余計に認めざるを得ない。
どうすんだよ。俺は、どうすればいいんだよ……。
血が繋がってないからって、コイツと兄妹をやめるのか?
っ、いやだっ! そんなこと、絶対したくないに決まってる!
昔から可愛がってきたんだ。今でも大事なんだっ。
血が繋がってなくても、俺にとって菜子は……
