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俊光と菜子のホントの関係

第8章 『かけがえのない兄妹』







「――…………っ、バーカッ。なーに言ってんだよっ」

「ひゃあ! な、なにふんのよぉー!」


 お兄ちゃんがほっぺたをグリグリしてくるぅー!

 やだぁ! 私、変な顔になっちゃうよぉ!


「似てなかったら兄妹じゃないって、誰が決めたんだよっ。え?」

「だ、だってぇー……」


「……俺と菜子は、ちゃんと兄妹だよ。

 顔が似てなくても、俺達は……

 かけがえのない、兄妹なんだからなっ」


「……お兄ちゃん……」



 ほっぺたから手を離して、頭をポンポンしてくれてる。

 さっきまで泣きそうだったのに、優しく笑ってる……。

 私も、お兄ちゃんの笑った顔を見たら、なんだかホッとして涙がひっこんだ……。


 でも――


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