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俊光と菜子のホントの関係

第2章 『俺と菜子』





 高校の昼休み。俺は智樹(ともき)に、菜子への想いを打ち明けた。そしたら――


「……はぁ!? 菜子ちゃんに惚れただぁー!? なんだそりゃー!」

「っ、バカッ! 声がデカいっ! いくら屋上に誰もいないからって、大声出したら外にまで響くだろっ!」


 だいたい想像はついていたけれど、実際大袈裟な反応をされると焦る。


「わりぃ……。けどそんなの、大声出ちゃうだろ。週末明けプラス、お前の誕生日明けただけで、そんな急展開だぞ?」

「だよなー……。自分でも驚いてるぐらいだし、信じられないしで。『何で今になって妹を好きになるんだよ?』って、何十回・何百回も自分に問いかけてるよ」

「まさに『青天の霹靂』ってヤツだな」


 智樹は自分でそう言っては、大いに頷いていた。

 この智樹とは高校からの付き合い。髪をワックスでツンツンに立たせ、制服も崩して着ている。そんなんだから、見た目はかなり軽そうだけど(もとい、軽『そう』じゃなくて、実際軽い)意外と人間味のあるヤツ。

 今まで誰にも言えなかったことを、智樹になら自然と打ち明けることが出来た。だから、菜子と血が繋がっていないことも知っている。

 初めて『親友』と呼べる友達に出会えた。



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