
俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
「菜子だってさー、お兄さんが他の女の人とイチャイチャしてたら、胸くそ悪いでしょう?」
「えっ!? 俊光君が、他の人と……イチャイチャ!?」
うわ。それってスゴい嫌だっ。想像したくなーいっ。
俊光君が中学の同級生の女のコと一緒に帰っていくのを見ただけでも、寂しくて悔しかったのにぃっ!
「……やっだぁー菜子ヤバーい。話だけで険しい顔しちゃってー。これはマジでお兄さんに彼女が出来たら、修羅場が巻き起こること間違いなしだわぁー」
「エリナぁ、そんなに面白がらないでよぉっ! 私は真剣に嫌なのにー!」
「フフフ、ごめーん。菜子があんまり素直に百面相するからぁ、ついからかいたくなっちゃってー」
エリナは美人らしく、キレイに手を合わせて謝った。
でもっ……ホントに俊光君に、か、か……彼女が出来たらどうしようっ!
兄妹とはいえど、手とか繋げなくなるよね?
うわーん、それも嫌だぁ! せっかくいい感じで繋いでるのにー!
あぁー……せめて私がエリナぐらい美人だったら良かったのになぁ。そしたら俊光君も『妹でも全然アリだぜ!』とか言って、彼女にしてくれたかもしれない……。
「エリナぁ、お願ーい。お兄さんは交換しなくてもいいから、その美しい容姿を交換してぇー」
私もエリナのお兄さん同様懇願するも、交換してほしい理由を知らないエリナは「えー、何よ急にー」と、ここでも美人らしくキレイに微笑むだけだった。
