
俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
――嫉妬心を抱えたまま、電車は地元の駅の一つ手前の駅に着いた。
「じゃあ先輩。わたし、ここで降りますので」
「あぁ……。短大、無事に受かるように祈ってるよ」
「はい、ありがとうございます」
後輩のコは、小さく会釈をして電車から降りていった。
はぁ……。こんなイライラムカムカな心理状態でずっと接したりして……。あのコに悪いことしたな。
俺は、イライラムカムカの原因である二人の方を、目を合わせないように気をつけながらチラッと見た。
どこかへ寄り道するのか、晃君がこの駅で席を立った。
