
俊光と菜子のホントの関係
第9章 『勝手にジェラシってる』
「――じゃあ菜子ちゃん、またなっ」
「うん。曲聴かせてくれてありがとう。明里に『お大事に』って言っといて」
晃君は軽く手を振りながら、電車から降りていった。
車内がかなり空いたなぁ……あ。
俊光君も一人になってる。また窓の外を眺めてるみたい。
うー……。いつもならここで喜んで飛び付くんだけど、今は動きたくないっ。だって、女子生徒さんとイチャイチャしてた俊光君だよ? そんな俊光君のところに自ら行くって、なんか悔しいもんっ。
意地でも動いてやんないもんねーだっ!
私は強く強く心に決めて、手にグッと力を入れた。
