
俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
「はいはいはーい! おれから提案がありまーっす!」
晃君の友達の茶髪の人が突然手を上げて、みんなに向けて発言しようとしている。
提案……? 何だろう?
「今度みんなで――『合コン』しませんかぁー?」
「ごっ……合コン!?」
と驚いたのは、私と明里と晃君の三人だけで、
あとのみんなは「いいねー!」とノリノリ。
ていうか、合コンってあの……何人かの男女でお見合いみたいなのをするアレだよねぇ!? 自己紹介してから、趣味は何かとか、好きなタイプはどんな人かとかって話したりする……えぇーっ!? それを、私達と晃君達でするのぉ!?
「また勝手なことをっ……! オレはっ、菜子ちゃんと、」
「まぁまぁ、いいじゃねぇーかよー晃。大勢の方が楽しいだろ?」
「いや、だからオレはっ、」
「じゃあさー、『来週の火曜日』なんてどう?」
「無視すんなよっ!」
晃君が何かを言おうとしてるのに、茶髪の人はバッサリと遮って、曜日まで指定してきた。
……ん? 来週の、火曜日?
その日って――
「確か、『バレンタインデー』だよねぇー?」
と、エリナがマイペースに訊いた。
「そうっ!
つまり……『バレンタイン合コン』ということで!」
バレンタインデーに、合コン……? うそぉーっ。
だって私は、俊光君が……と、また思っちゃいそうになって、ハッとする。
うぅーっ。私、どうしても俊光君がチラチラとしちゃう。こんなんじゃあ、いつまでも『俊光君俊光君』から抜け出せないよぉー。
と悶々と考えてる間にどんどん話が進んでいったみたいで、
気づいたら――バレンタイン合コンの開催が決定しちゃったという……。
