
俊光と菜子のホントの関係
第14章 『俊光君への兄(本命)チョコ』
「菜子ぉー、おまたせー……って、晃!? 何でいるの?」
「あっ、明里。エリナ達も」
お買い物が終わった本物の明里とエリナ達が、西急ハンズから出てきた。
したら晃君の友達は、また晃君をドンと押し退けると、今度は明里達の方へ。
「は、はじめまして! おれ達、晃の心の友です!」
「もしかして、君達もフリー!? やった!
しかも君って、晃の双子のお姉さんでしょ? スゲー、ホントに瓜二つなんだね!」
「どんな人がタイプなの? 俺達の中だったら誰がいい?」
「あのコと同じ学校だよね? 良かったらそのコートの中を――」
晃君の友達、またさっきみたいに一気に話しかけてる……。
「……ちょっと晃。あんたの友達、どんだけ飢えてるのよ?」
みんなの輪からそうっと抜け出した明里が、揉みくちゃにされてボロボロになった晃君に問いかけた。
「あのな明里……。オレは中等部からだったけど、アイツらは小等部からずっと男子校でさ。その上なかなか女のコに縁がなくて。だからちょっと女のコに近づけただけで、逃がすまいと必死こいちゃうんだ」
「まるで腹ペコの肉食獣ね」
明里と晃君で双子トークをしてる間も、目をランランと輝かせながら会話をする晃君の友達と、戸惑ってばかりだった私とは違って上手く対応をしているエリナ達三人。
私はその状況を、ただポカーンとして眺めているだけでいた。
