
俊光と菜子のホントの関係
第27章 特別編『菜子の誕生日お祝いデート(前編)』
フォークを持ってパスタを巻こうとした。でも、その手をまた止めた。
「なぁ、菜子」
「ん?」
「俺にとっても、お前は……かけがえのない、大事な妹だからな」
「っ……うんっ」
「いい返事だなー。いいコいいコ」
「もーう、また子供扱いするんだからー」
「というわりには、あんまり嫌な顔をしてないぞ」
「……えへへー」
あの五人姉妹は確かに可愛くていいコ達だし、『お兄ちゃん』と慕おうとしてくれたことには、正直嬉しい気持ちもあった。
けどやっぱり、俺の妹は……この世に一人だけ。
妹でもあって、恋人でもある、菜子だけだ。
