
俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
「でもさー、胸って……遺伝とかしなかったっけ?」
「……え?」
ふと疑問に思ったことを口からポロリと溢すと、三人が一斉に私を見た。
「だいたい胸の大きさって、確か遺伝が関係するんだよね? そしたら、私もお母さんみたいに小さいハズなんじゃないの?
だったら、なんで私はこんなに大きいの?」
「…………」
「……え?」
やだ。なんで三人とも黙っちゃったの? 特にお父さんとお母さんが気まずそうにしてて、目まで泳いじゃってる。
私、変なこと言っちゃったかなぁ?
あ……どうしよー。せっかく楽しい雰囲気だったのに。
「ご……ごめんなさーい……」
「あ、いや。菜子が謝ることじゃないよ。ただ、なんでだろうなーって考えてたんだ。な、美都子?」
「えっ……えぇそうよぉー。何でかしらねぇ。突然変異かしら? オホホホ……」
なんかお父さんもお母さんも、すごく無理してるような気がするんだけど……。私、よっぽど変なこと言ったんだ。なんか悄気ちゃいそうだよぉ……。
