
俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
「……菜子」
「っ、な、何?」
俊光君が私の肩をトントンっと叩いてきた。
「ほら、これ見てみろよ」
「え?」
俊光君は、リビングに置いてあったタブレットを手に持っていて、それを私に見せてきた。
画面を覗くと『胸の大きさは遺伝だけじゃない』というタイトルのサイトが開かれてる。
「読んでみるとさ、どうやら生活習慣とかホルモンのバランスとかが関係するみたいだぞ?
あと、刺激されると大きくなるって」
「あ……そうなの?」
ホントだ。俊光君の言ったとおりのことが書かれてるー。
「じゃあ、別に遺伝がすべてじゃないんだね」
「これを見ると、そうみたいだな」
「なーんだ、そうかぁー…………んん? 『刺激されると』ってことは……やっぱり明里も原因の一つじゃん!」
「ははっ、そうかもな」
「……ねぇ、俊光君?」
「何?」
「もしかして俊光君も……私の胸は、明里以外揉む人がいなくて可哀想とか思ってるの?」
「なっ……」
俊光君がギクッてした! やっぱりー!
「ひっどーい! それじゃあ、お母さんと同類じゃん!」
「ちがっ……お前が変なこと言うからっ」
「どうせ私の胸は、明里のオモチャでしかないですよーっだ!」
私は思いっきり拗ねてやった。
何よもーうっ。
……あ。でも、やっと空気が戻ったかも。お父さんもお母さんも笑ってる。良かったー。
これもきっと、俊光君のおかげかも。
たまにムカつくこともあるけど、やっぱ俊光君って良きお兄ちゃんだよねー!
