
俊光と菜子のホントの関係
第4章 『私と俊光君』
ぶーたれていると、コンコンッとドアをノックする音が聴こえてきた。
「あっ……はーいっ」
誰かきた。お父さん? お母さん?
「……菜子。俺だけど」
「えっ……俊光君?」
帰ってきたんだ。
山田とのケンカのこともあって、なんとなーく気まずい気もするけど……
「いいよ、入っても」
とりあえず、招き入れよ。
ガチャッ……とドアが開いたそこには、制服姿の俊光君。カバンを持っているってことは、帰ってきて直接私のところに来てくれたんだ。
レベルの高い高校のブレザーを、相変わらず規則正しく着こなしている。チャラく着崩している智樹さんとは違うなー。
……高校生……。
(高校生の男子って、かなり性欲強いんだぜー)
「っ!」
きゃーっ、やだーっ! 俊光君の制服姿見たら、変なところだけ思い出しちゃったー!
「なんだ、虫でもいるのか? 首を思いっきり振ったりして」
「えっ……うんっ。たぶん、そう……あははっ……」
山田の暴言をかき消さなきゃと思ったら、自然と体に表れちゃった。
そんな私の気も知らない俊光君は部屋に入って、椅子に座る私のそばに立った。
