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キミの事、こんなに好きになるなんて

第4章 一年後

心にぽっかり数ヶ月、隙間が空いていた俺達の元にキミが帰って来た。番組に出演するたびにコンサートの事件を聞かれるキミは、曖昧に笑って自分が原因だと話す。
今まではキミの事を庇えなかった俺達・・・今は、違うから俺達の事を頼ってよ。


一年後の今日また、あの場所でコンサート。
緊張以上の震えがキミを支配して、ニコニコ笑顔が曖昧な笑顔で・・・。
だから思わず俺は抱きしめてた。
「大丈夫だから俺達がいるから安心してよ。これからは一人じゃないからさ。」
俺の言葉に何度も頷くキミ。
体を離すと涙が零れたキミの顔に俺の体温が急上昇。
ちょっと待って、なにこれ?
俺、もしかしてキミの事、好きに・・・いや、ただのメンバーだよ。
よし!!
メンバー、メンバー、メンバー、メンバー、メンバー
俺、落ち着け!
俺がブツブツ言っているとメンバーのルカにキミを横取りされた。
「おい、なにするんだよ。」
ルカ「もう始まるから円陣。」
いつも以上に気合いを入れた円陣だった。


コンサート中に見掛けた悪意のあるうちわを持っているファンに
ユーダイ「今日のコンサートから悪意のある言葉をうちわに書き込んでいる人は、僕達のファンじゃありません。スタッフが見つけ次第、強制退場してもらいます。ファンクラブからも脱退してもらい、コンサートも出入り禁止にします。」
それを聞いたファンは、うちわを凄い早さで鞄に締まった。

コンサートが進む中、MC で
俺は思い切って
「ミオは最近ハマってる事なにかある?」
少しびっくりしたキミは
ミオ「お菓子作りにハマってます。」
「まだ緊張してる?敬語になってる(笑)お菓子作りって、なに作るの?」
ミオ「チーズケーキとかロールケーキとか。」
ウト「俺も食べたいな。ケーキ作ったら誰かにあげるの?」
ミオ「社長と事務所の方とマネージャーとコンサートのスタッフさんが食べてくれました。」
ルカ「俺達の口に・・・『美味しそう』」
俺達の後ろの画面にケーキの画像が!!
しかも食べながらマネージャーがピースしてる。
ファンに大ウケ!!
「料理は?」
ミオ「料理は毎日してるので(笑)」
「趣味じゃなくて?」
ミオ「生活の一部です。え~っと私の事より、皆さんの事を言ったほうが喜びますよ。」





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