Receptor
第1章 receptor
「何で栗花落先生が嫌いなの?」
弥寧は紀に背を向けて硬い地面にしゃがむと
「虫が好かないんだよ、それに栗花落とは従兄妹同士だろ?俺の知らない栗花落をあいつは沢山知ってるからな」
紀は小さく笑った。
「何が可笑しいんだよ」
弥寧は口を尖らせて紀を見上げる。
「だって、小鳥遊くん子供みたいなんだもん」
紀が風に靡く髪を耳にかけて弥寧の隣にしゃがむと、貫が付けた淡い痣に弥寧が気付いた。
「栗花落、その痣どうしたんだ?」
露骨に低くなる弥寧の声に、紀は慌てて首筋を手で覆った。
首筋を這う貫の唇を思い出して、紀は頬を赤く染めた。
弥寧は苛立ち、紀の腕を強引に掴むと硬い地面に押し倒して跨り、紀の自由を奪った。
「何であいつなんだよ、俺じゃ駄目なのか?」
弥寧は悲痛な表情を浮かべて声を荒げる。
「…やめて…小鳥遊くん…っ」
弥寧の胸を押して抵抗する紀の腕を押さえつけて、弥寧は紀の唇を奪った。
「…んん…っ」
弥寧の唇は角度を変えながら、紀の唇を抉じ開ける。
舌を侵食させて、触れ合う甘い唇。
「…ん…はぁ…ん…っ」
紀が無自覚に甘い声を漏らすと、弥寧は堪らず紀の舌に吸い付いて唾液に塗れながら口腔内を姦していく。
粘着質な水音を立てて重なる唇を、弥寧は止められない。
陵辱で瞳を潤ませて頬を赤く染める紀は、弥寧を煽っているだけだった。
足掻くぼどにスカートの裾が捲れて、紀の肌が露わになる。
欲情した弥寧は荒い息で熱く滾った肉棒を紀の下着越しに擦り付け、指先をセーラー服に滑らせる。
紀の体の小さな震えに気付いて弥寧が我に返ると、夢中になっていた唇を離した。
「…栗花落」
腕が緩んで唾液の甘い海から解放されると、紀は弥寧の頬を力任せに引っ叩いた。
乾いた音が屋上に響く。
「…ってぇ」
弥寧の唇が切れて血が滲んでいく。
動揺した紀は弥寧の体を力任せに押しのけて、屋上から転がるように逃げ出した。
弥寧は深いため息を吐いて硬い地面に転がり、空を仰いだ。
思いが、欲する気持ちが、感情が、抑え切れずに紀をただ傷付けただけだった。
「…くそっ」
遣り切れない思いに、弥寧は髪を搔き毟り硬い地面を殴った。
ドアの向こうで紀は荒い息で体を震わせて小さく踞(うずくま)り、止まらない涙を拭っていた。
弥寧の優しさに甘えていた。
好意を知っていて、はぐらかしてばかりだった。
弥寧もひとりの男なんだと、心を揺らす。
弥寧は紀に背を向けて硬い地面にしゃがむと
「虫が好かないんだよ、それに栗花落とは従兄妹同士だろ?俺の知らない栗花落をあいつは沢山知ってるからな」
紀は小さく笑った。
「何が可笑しいんだよ」
弥寧は口を尖らせて紀を見上げる。
「だって、小鳥遊くん子供みたいなんだもん」
紀が風に靡く髪を耳にかけて弥寧の隣にしゃがむと、貫が付けた淡い痣に弥寧が気付いた。
「栗花落、その痣どうしたんだ?」
露骨に低くなる弥寧の声に、紀は慌てて首筋を手で覆った。
首筋を這う貫の唇を思い出して、紀は頬を赤く染めた。
弥寧は苛立ち、紀の腕を強引に掴むと硬い地面に押し倒して跨り、紀の自由を奪った。
「何であいつなんだよ、俺じゃ駄目なのか?」
弥寧は悲痛な表情を浮かべて声を荒げる。
「…やめて…小鳥遊くん…っ」
弥寧の胸を押して抵抗する紀の腕を押さえつけて、弥寧は紀の唇を奪った。
「…んん…っ」
弥寧の唇は角度を変えながら、紀の唇を抉じ開ける。
舌を侵食させて、触れ合う甘い唇。
「…ん…はぁ…ん…っ」
紀が無自覚に甘い声を漏らすと、弥寧は堪らず紀の舌に吸い付いて唾液に塗れながら口腔内を姦していく。
粘着質な水音を立てて重なる唇を、弥寧は止められない。
陵辱で瞳を潤ませて頬を赤く染める紀は、弥寧を煽っているだけだった。
足掻くぼどにスカートの裾が捲れて、紀の肌が露わになる。
欲情した弥寧は荒い息で熱く滾った肉棒を紀の下着越しに擦り付け、指先をセーラー服に滑らせる。
紀の体の小さな震えに気付いて弥寧が我に返ると、夢中になっていた唇を離した。
「…栗花落」
腕が緩んで唾液の甘い海から解放されると、紀は弥寧の頬を力任せに引っ叩いた。
乾いた音が屋上に響く。
「…ってぇ」
弥寧の唇が切れて血が滲んでいく。
動揺した紀は弥寧の体を力任せに押しのけて、屋上から転がるように逃げ出した。
弥寧は深いため息を吐いて硬い地面に転がり、空を仰いだ。
思いが、欲する気持ちが、感情が、抑え切れずに紀をただ傷付けただけだった。
「…くそっ」
遣り切れない思いに、弥寧は髪を搔き毟り硬い地面を殴った。
ドアの向こうで紀は荒い息で体を震わせて小さく踞(うずくま)り、止まらない涙を拭っていた。
弥寧の優しさに甘えていた。
好意を知っていて、はぐらかしてばかりだった。
弥寧もひとりの男なんだと、心を揺らす。