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家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?

第5章 雲の守護者

だが、彼から渡されたものとしては信じられない。

「ええっと…」

思わず皿を持ったまま固まってしまった。

「キライ?」

「いっいえ! でもコレ、どうしたんですか?」

まさか今日の貰い物というわけではないだろう。

今頃、検査にかけられているはずだから…。

「間食用に買ったんだ。でも買いすぎてね。よければ食べて」

「あっああ、そういうことでしたか」

ヒバリ自身が購入したものならば、安全だ。

ほっと息を吐き、皿をテーブルに置いた。

「それじゃあいただきます」

手を合わせ、楊枝で一口サイズに切り分けて口に運ぶ。

柔らかな餅の食感に、甘すぎない生チョコの甘さが口の中に広がる。

「んっん~。おいしい! おいしいですね! コレ」

素直に喜ぶと、ヒバリは笑みを浮かべた。

「そう、なら良かった」

そう言って空の湯飲みを二つ手に取った。

「お茶のおかわり、いれてくる」

「あっ、ありがとうございます」

チョコ大福の美味さに感激しながらお茶と共に味わっていると、あっという間に予鈴が鳴った。

「っとと。すみません、ゆっくりしすぎましたね」

チョコ大福を食べている時も会話は無かったが、ヒバリはなぜか笑顔だった。

「いや、こっちから誘ったしね」

「じゃあ行きます。ヒバリさん、ありがとうございました」

笑顔で頭を下げると、ヒバリも笑顔で手を振った。



そしてその場を後にし、教室に戻って一変。

「ひっ!」

教室内に溢れる女子生徒の姿に、驚いて一歩下がった。

渦中にいるのはもう考える必要なく、あの二人だろう。

予鈴がなったというのに、中々自分の教室に戻らないとはいい度胸だと思う。

外に出ていたクラスメート達も、中の様子を見て困ったまま廊下に立ち尽くしている。

さすがにこの騒ぎでは風紀委員達が動くだろうと考えていると、背後から声をかけられた。

「沢田さん」

「あっ、草壁さん。こんにちは。この騒ぎで来たんですよね」

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