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家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?

第8章 雨の守護者

商店街ではまだバレンタインの雰囲気が残っていた。

店頭ではまだディスプレイも派手に飾り付けられており、町行く人の中にはカップルもいた。

「そういえば…」

この商店街の中に、山本の家があることを思い出した。

今は野球部は休みになっているが、彼の性格を考えるとまたバッティングセンターにでも行っているのかもしれない。

しかし今日は特別な日。

おとなしく家で閉じこもる可能性もなくはない。

獄寺と話をした後のせいか、山本とも話したくなった。

実家の寿司屋は営業中。

まさかどうどうと入るわけにも行かず、店の前を何となく行ったり来たりしていると、突然引き戸が開いた。

「あっ、やっぱツナ」

「やっ山本?」

すでに私服に着替えた山本が出てきた。

「何か店の前、うろうろしているなと見てたんだけどさ。ツナっぽかったから、思いきって出てきて良かった」

どうやら引き戸に自分の怪しい行動が映されていたらしい。

恥ずかしすぎて、顔に血が上る。

「ごっゴメン。ホラ、今日ゆっくり話ができなかったからさ。山本いたら良いなぁって思って」

「なら、店に入ってくればいいのに。ツナは以前、バイトしてたんだしさ。親父だって歓迎するぜ?」

彼の父親は、息子と同じく社交的で明るい。

人懐こい性格なので、歓迎はしてくれるだろうが…。

「いや、山本いるか分からなかったからさ。もしかしたらまだ女の子達から逃げ回っているのかもって…」

最後の方は声が小さくなってしまった。

「ああ、チョコなら後から送ってくれって頼んだ」

「えっ? 送る?」

「うん。獄寺とあんまりにも貰った量が多いから、見かねた風紀委員達が間に入ってくれてさ。学校で貰った物は、後から風紀委員のヤツ等が持ってきてくれることになったんだ。そんで下校時刻過ぎた後のチョコは、風紀委員が受け取って、後日まとめて送ってくれるってさ」

どんだけ貰ったんだろう、と思わず真剣に考えてしまう。

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