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家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?

第9章 雷の守護者

そして家に着く頃には周囲も暗くなり、疲れも重く体にのしかかっていた。

「ただいまぁ~」

くたびれた声で扉を開け、玄関に入ると。

「おかえりなさい。若きボンゴレ」

「…あれ?」

出迎えてくれたのは、大人ランボだった。

「みんなは? というか、また…」

いつものことにツッコミを入れようとして、もうそんな体力が残っていないことに気付いた。

「ええ。よりにもよって、今日と言う日にまでですよ」

苦笑するランボを見て、思わずこちらも苦笑。

「あと、みなさんは買い物に出ています。どうやら昼寝でもしていたらしく、オレはおいていかれたみたいです」

「それで寝惚けてタイムスリップか。こんなにバズーカ連射して、そっちのボスに怒られなかった?」

「今更ですね。五歳児にあんなものを預けた時点で、あちらもある程度予測はしていたでしょうから」

肩を竦めるランボは、ふと思い付いたように手を打った。

「あっ、そうそう」

「んっ? なに?」

靴を脱いで上がると、目の前に白いバラの花束があった。

「えっ、何、コレっ!」

「いつも十年前のオレがお世話になっているお礼です。今は日本を離れていたので、外国流ですが」

「がっ外国流って…」

「向こうの国ではチョコレートではなく、花束やプレゼントを贈る習慣なんですよ。なので、コレは若きボンゴレに差し上げます」

にっこり笑顔で言われ、条件反射的に花束を受け取った。

「あっありがとう。嬉しいよ」

花束は両手に持っても、溢れんばかりの量だった。

「あっ、ちゃんと十年後の貴方にもプレゼントは贈ってあります。遠い異国の土地でも、オレの心からの気持ちをこめて、ね」

そう言って意味ありげに微笑み、一輪のバラの花に口付けした。

外国の映画のワンシーンさながらの仕種に、思わず体が熱くなる。

何だかんだ言っても、十年後のランボはちゃんと成長している。

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