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家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?

第9章 雷の守護者

…少々ヘタレなところもあるが、それでも結構頼りになる。

………今よりは。

「そう言えば、若きボンゴレは花言葉はご存知ですか?」

「いや、全然」

素直に否定すると、ランボは困ったようなほっとしたような戸惑いの笑みを浮かべた。

「そうですか。十年後の貴方にも、同じ花束をプレゼントしたんですけど、彼もご存知ないですかね」

「えっと、じゃあ今教えてよ。ちゃんと十年後まで覚えているからさ」

ランボの表情に少しの罪悪感を感じて、あえて明るく言った。

しかし当のランボは顎に手をやり、少し考えた。

「ふむ…。いえ、オレからは言えません」

「えっ、どうして?」

「十年前のオレの気持ちではないからです」

「はあ?」

分からず首を捻るも、ランボは意味ありげに笑うだけ。

「それでも知りたいのなら、リボーンに聞くといいですよ。アイツも同じ気持ちだと思いますから」

そう言うと、ランボから煙が立ち上った。

「わっ! あっ、五分経ったんだ…」

何故だか少し名残惜しく感じてしまった。

しかし煙の中から、きょとんとした五歳のランボを見て、その気持ちも吹っ飛んだ。

「あっ、ツナだ。ああっ、そうだ! ツナ、オレっちの牛乳飲んだだろう!」

「牛乳?」

言われて少し考え、今朝、リボーンに出会った時に驚いてパンがノドに詰まって、牛乳を飲んだことを思い出した。

「ああ、でもまだ牛乳あっただろ?」

「違うもんね! アレはランボさんの牛乳だったもんね!」

こういう訳の分からなさは、間違いなく子供ランボだ。

「ああなるまで、十年か…」

ふとバラに口付けしていた大人ランボを思い出し、その過程は長そうだと思った。

ぎゃあぎゃあ喚きたてるランボを無視し、花を花瓶に入れて、部屋に持って行くと、皆が帰ってきたようだった。

一階が騒がしくなったので、カバンを置いて階段を下りた。

「あら、ツナくん。帰ってたのね」

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