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家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?

第10章 霧の守護者・2

「ツナー、リボーンくん。夕ご飯できたから、下りてらっしゃい」

「あっ、はーい!」

「今行く」

「って、行く前に返せよ!」

「義理チョコにそんなに躍起になるなよ」

「うるさい! ああ、もういい!」

どんなに追かけようが、リボーンに追いつけるはずもない。

言葉でも何をどう言おうとも、リボーンの意志は変えられない。

いい加減、イライラもピークに達してきている。

「今日はもうチョコ食べない! 明日になれば関係無くなるから、明日にする!」

そう言って音高くドアを閉めて、一階へ下りた。

残されたリボーンはチョコをテーブルに置き、ため息をついた。

「分かっちゃいねーな。今日みたいなことはこれから毎年繰り返されるんだぞ? その場限りの考え無しの行動は、ボスにとっちゃ致命的な行動ミスになるんだからな」

それを言ったら言ったで、怒り出すのは目に見えていた。

だが今ムリに結果を出そうとしても、周囲にも混乱を招くだけかもしれない。

それに自覚無しの行動ほど、厄介なものもない。

リボーンはテーブルに置いてある仲間達のチョコを見回した。

「あげたヤツ等は多少は自覚あるみてーだがな。ツナのヤツ、変なところで人の気持ちに鈍いからなぁ」

深く息を吐くと、下の階から呼びかけられた。

「リボーン! 早く来ないとランボに食われるぞ!」

「ああ、今行く」

部屋の電気を消し、扉を閉めようとして、再び目に映ったチョコを見て、ふと考える。

「…ボスになった頃、今みたいな状態になったら、アイツはどうするんだか」

きっと今と変わらず悩むんだろうな、と思うと笑みが浮かぶ。

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