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家庭教師ヒットマン リボーン!小説・バレンタインは大騒動!?

第4章 晴の守護者

まだ午後と放課後が残っている。

あの二人から逃げるには言い訳と心の強さを必要とすることが、しみじみ分かった。

「まあ今日みたいな日は女子のパワーが上がるからな。明日になれば元に戻るだろうから、もうしばらく辛抱しておけ」

「はい…。あっ、ちなみにお兄さんは貰いました? その、家族以外から」

「ああ、下駄箱や机の中にいくつか入っていたな」

「おお…」

やはり女の子は運動が出来る男子を好むようだ。

その点自分は…と考え、虚しくなった。

「そうだ。まだ何も食べていなかったんだよな?」

「はい、まだ何も」

「ちょっと待ってろ」

そう言うと了平はジャージのポケットから何かを取り出し、手の中でゴソゴソといじった。

「ホレ」

そう言って、口の中に入れられたものは…。

「んっ。…チョコ、ですか?」

「ああ、栄養補給として持っていたんだ。うまいだろう?」

彼の笑顔を見て、少し心が和んだ。

晴の守護者である彼は、少し…というかかなり天然だが、裏表の無いこの笑顔は癒やされる。

純粋に心配さていることが嬉しくて、思わず笑顔を浮かべた。

「はい、おいしいです。ありがとうございます」

「うむ。沢田は沈んだ暗い顔をよくしているが、笑顔の方が良いぞ」

言いながら頭を撫でられ、心がくすぐったく感じた。

「それじゃあもっとやろう」

ポケットに再び手を入れると、ごそっとチョコを取り出し、手に山ほど乗せてくれた。

「あっありがとうございます」

「ああ、じゃあオレはそろそろ走り込みに行くから」

「はい」

最後にもう一度頭を撫で、了平は笑顔で走って行った。

「ホント、明るい人だな」

呟き、ふと手に乗せられたチョコを思い出して、どうしようかと考えた。

とりあえず弁当箱を入れてある袋に詰め込み、再び歩き出す。

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