恋の声
第2章 彼との出会い
私は社宅ではなく、実家に帰っていた。
今は都内で働いているが、私の実家は東京でも立川の方で、電車で40分程で帰ることができた。
どうやって電車に乗って
どうやって乗り換えて、どうやってここまで帰ってきたんだろう。
家の玄関の前で立ち尽くしていた。
「あれ?あんた…雪穂?なんで制服着てるの?
……雪穂?」聞き慣れた母の声が聞こえた。
振り返るとパート帰りに買い物をして帰ってきた見慣れた母の姿があった。
「うゔあぁぁぁ!!あけちゃん!!!」
隣の道まで聞こえてしまうような言葉にならない声を上げながら母に飛びついた。
何も言わずに母ひただただ私のことを抱きしめてくれた。