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甘いキスを君に

第12章 喧嘩

「いいから早くしろ。時間ないんだから」

「征弥」

俺は、美波に名前を呼ばれてハッとした。

美波の声にはいつものような温かさはなく、どこか怒気を感じられる。

恐る恐る顔を見ると、やっぱり怒っている。

「あのさ、あの新人の子に怒るのはわかるよ。でも、私は何もしてないじゃない」

「わかってるよ…悪かっ…」

「もういいよ」

悪かったと謝り終える前に、美波の声が俺の声に被せられた。

完全にやらかした。

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