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勝手に運命感じてます

第2章 あれから半年



「いやぁ、それにしても……クププッ!」


 凛ちゃんが、含み笑いしてる。


「何がおかしいの?」

「あんた運んだの、誰だと思う?」

「え? 先生と……凛ちゃん?」


「ぶぶー! 運んだのは――郁の、運命の人だよ!」


「……えぇ!? 先輩!?」


 ど、どうして先輩が!? あの場にいなかったのに!


「郁が倒れたのを、教室から見たんだろうね。血相変えて、郁のところまで飛んで来たんだよー」

「……先輩が?」


(おい、腰抜け! しっかりしろっ!)


 あれ……幻覚じゃなかったんだ。

 てことは……あの温もりも?


「先輩、また私をおんぶしてくれたの?」

「そうだよ」


 ……普段あんなに冷たいのに、私が倒れたら授業を抜け出して飛んできてくれて……。


 しかも、おんぶして運んでくれた。


 先輩……私、熱く感動してますっ。



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