
たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第2章 佐倉武
*
――小学二年生。
『二年二組』かぁ……。
今日からここが、オレの教室になるのか。
ろう下で先生に呼ばれるのを、ドキドキしながら待っていた。
教室の中から先生の声がする。明るそうな先生だよな。よく笑うし、うちのオヤジよりも若そうだし。
クラスのみんなとも、仲良くできるといいんだけど……もし、オレをいじめようとするヤツがいたら、ぶんなぐってやるぞっ!
よっしゃ! 一応パンチの練習でもしておくか!
「シュッ! シュッシュッ! シュッ……」
こぶしを交互に素早く動かしていると、ガラーッと開く音がした。
「……ん? 佐倉、何やってるんだ?」
「っ! あっ、そのっ……」
うわぁ、先生に見られたぁ! ちょっと笑われたしっ。
「紹介するから、教室に入りなさい」
「はっ、はいっ!」
きたーっ! いよいよだーっ!
「ははっ! 緊張するよなー。でも大丈夫だ。佐倉ならすぐに馴染めるよ。なんせ……」
「……?」
「それは……来ればわかるよ。さぁ入りなさい」
「??」
なんだろ?
とにかく、ドキドキするぞ。
オレは、先生と一緒に教室へと入っていった。
