
たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第3章 杉並実果留
家……着いちゃった。
家に着いたのに、すぐに入ろうとしないで門の手前でたたずんでいた。
どうしよ……。
隣の家をチラッと見上げた。
武の部屋は、外から見て正面の側にある。その部屋の窓は、カーテンが閉められていた。
眠ってるかも。熱もかなり高かったから。
それに、ケンカもしちゃったし……私に会いたくないだろうな。
それでも……私は会いたい。会って謝りたい。
足を少しだけ、武の家に向けた。でも、思い留まってすぐに戻した。
ダメだよ。やめておいた方がいいって。
夕崎君のデートを断っておいて武に会おうとするなんて……虫が良すぎる。
今日は、やめよう……。
自分の家の門を、カシャン……と開けた。
武……。
「…………」
