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たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―

第6章 佐倉武・最終話



「そういや実果留、昨日……来てくれたんだろ? その……おふくろから聞いたよ」

「っ、あっ……うん……」

「ごめんな。その、寝てたこともそうだけど、昨日の朝のことも……。俺、お前に言い過ぎた」

「う、ううんっ。ね、寝てたのはしょうがないしっ、朝のことだって、私が悪いんだから……。ごめんね、武……」

「いや…………」

「…………」



 会話が止まっちまった。


 ヤバい。確認するのが怖くなってきた。


 自分の心臓の音がドクッドクッと激しく聴こえてくる。手まで震えてきてやがる。


 だぁくそっ! しっかりしろよ、俺っ!

 もう、ハッキリさせたいんだろ? ただの『双子コンビ』から、抜け出したいんだろ?


 けど一体、何て聞けばいいんだよっ……。


 自分がもどかしくなり、頭をガシガシ掻いた。


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