テキストサイズ

たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―

第6章 佐倉武・最終話


 と、


「っ、うわっ!」

「キャッ……」


 風がひときわ強く、俺と実果留に襲いかかるように吹いてきた。


 実果留の髪は後ろへ一気になびき、首元があらわに。


「……っ!」


 それを目にした途端……俺は目を張った。


 実果留の首と肩の境い目辺りに、ポツン……と一つ、

 一円玉ぐらいの、小さな『アザ』みたいなのが、模様っぽく付いている。


「…………」


 けど俺は、それを見て『あ、ぶつけたのか?』なんて思うほど、無知でも鈍感でもない。


 すぐにわかった。


 それは……位置的にも相手がいないとつけることが出来ない、


『アザ』じゃなくて――


 あの、『愛のしるし』だと。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ