toy box
第1章 葬儀屋サイコメトリ
「も……モモ?」
『……ふむ、あまり変わらんな。猫又になればもっとこう、少女の姿に猫耳としっぽが生えて、飼い主気取りの阿呆な男にちやほやされながら、三食昼寝おやつ付きの快適環境で人の世を楽しめるくらいにはなれると思うておったのに』
「……ッ!?」
しゃべった。
モモは自分の体のあちこちを確かめるように見た後、ぴょんとラックから降りると春樹の前に歩いてきた。そして絶句する春樹の前で一度二尾を揺らし、「言葉」を続ける。
『いつまで阿呆面をさらしている。お前かて、普通の人間ではあるまいに』
モモの声は確かに、本人がのたまう通り幾分か高い少女のような声だった。しかしいかんせん中身が大人。ちぐはぐな声としゃべり方とその姿に、春樹は改めて向き合うとごくりと一度喉を鳴らして応える。
「わ……分かるのか?」
『猫又だからな!』
「……」
理由になっていない気もするが、もう何も聞かないことにする。ものすごく近くに、似た雰囲気のヒト科メスがいるので、なんとなく接し方が分かった。
「猫又ってアレだろ。百年以上生きるとなるっていう、しっぽが二本のネコの妖怪……あと知らないけど」
『うむ。先程、日が変わるときに鐘が鳴っただろう。もう覚えていないが、どうやら今日が私が生まれてちょうど百年目らしい』
「……」
『……ふむ、あまり変わらんな。猫又になればもっとこう、少女の姿に猫耳としっぽが生えて、飼い主気取りの阿呆な男にちやほやされながら、三食昼寝おやつ付きの快適環境で人の世を楽しめるくらいにはなれると思うておったのに』
「……ッ!?」
しゃべった。
モモは自分の体のあちこちを確かめるように見た後、ぴょんとラックから降りると春樹の前に歩いてきた。そして絶句する春樹の前で一度二尾を揺らし、「言葉」を続ける。
『いつまで阿呆面をさらしている。お前かて、普通の人間ではあるまいに』
モモの声は確かに、本人がのたまう通り幾分か高い少女のような声だった。しかしいかんせん中身が大人。ちぐはぐな声としゃべり方とその姿に、春樹は改めて向き合うとごくりと一度喉を鳴らして応える。
「わ……分かるのか?」
『猫又だからな!』
「……」
理由になっていない気もするが、もう何も聞かないことにする。ものすごく近くに、似た雰囲気のヒト科メスがいるので、なんとなく接し方が分かった。
「猫又ってアレだろ。百年以上生きるとなるっていう、しっぽが二本のネコの妖怪……あと知らないけど」
『うむ。先程、日が変わるときに鐘が鳴っただろう。もう覚えていないが、どうやら今日が私が生まれてちょうど百年目らしい』
「……」