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私の弟を好きになってもいいですか

第1章 弟ができました。

あれ? けっこう力が強い…。
見た目は女の子みたいだけど、その細い腕は男の子なんだなぁと思ってると、


「怜く~ん、あかり~、こっちこっち~」


レストランの中から、私の母が手を振って場所を教えてくれた。


「あかりちゃん、よく眠れた?」

「あ、はい」

「それならよかった。朝早く出発したから、きっと眠いだろうなぁと思って、あえて寝かせておいたんだよ。怜も寝てたしね」


なんだ、怜くんも寝てたんじゃん。
てか怜くんのお父さんって優しいな…。
今までこんなに優しい人がリアルにいただろうか。もしかして母さんはそんなところに惹かれたのかな…。


「あかりちゃん、お腹空いただろう? なんでも頼んでいいよ」


怜くんのお父さんはメニューを手渡してくれた。
私は迷わずホットケーキセットを頼んだ。


「ふっ…お子さまかよ」

「!?」


私は隣にいる怜くんを睨んだ。
今ボソッと呟いたかもしれないけど、ちゃんと聞こえたからね!!


てかお父さんはこんなに優しいのに、なんであんたはそんなに生意気なのよ?
さっき助けてあげたのに、お礼の言葉もないし。


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