
私の弟を好きになってもいいですか
第1章 弟ができました。
そして土曜日の朝5時。
母さんの再婚相手の車がうちの家まで迎えにきた。
「ふぁあああ…ねっむ」
こんなに朝早いとあくびが出てしょうがない。
結局昨日は夜遅くまでハヤトくんと話してたから、寝たのは深夜2時だった。いつもなら土曜日は昼まで寝て、午後からハヤトくんとデートなのに…。
ま、いいや、車の中で寝よっと。
「やあ、君があかりちゃんだね。僕は成瀬孝一です。よろしくね」
「…どうも…」
母の再婚相手の成瀬さんはなかなかの爽やかなおじさんだった。大企業の社長なだけあって、全体的に小綺麗にしている。うちの元父親とは大違い。
「荷物後ろに入れとくね」
「はぁい、ありがとう、孝一さん」
成瀬さんは私と母の荷物をヒョイッと持つと、車の後ろのドアを開けた。すると、後部座席に誰かが座っているのが見えた。
「ほら、怜も挨拶しなさい」
成瀬さんが声をかける。
そういえば息子がいるって言ってたっけ。
