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私の弟を好きになってもいいですか

第1章 弟ができました。

「おい、起きろ」


額にデコピンされて、私はバチッと目を覚ました。


「はっ…ここどこ?」


どうやら私は寝てしまったらしい。
車はどこかの駐車場に停まっていて、左側にはドアを開けてダルそうに立っている怜くんがいた。


「えっ…なに?」

「すっげぇ、ヨダレ。一体なんの夢見てたらそうなるわけ?」

「!」


私は慌てて口元のヨダレを拭った。


「ここ、どこ?」

「サービスエリア。父さんたちは先に朝ご飯食べに行ったけど、あんたもお腹空いてるならなんか買いに行けば?」

「……」


今思ったけど、なんなのよ、その態度は。
初対面なのにあり得ない。
ていうか、さっき私にデコピンしてなかった?
しかも人の寝顔見てバカにするとか…。


「起こしてくれてありがとう。私もご飯食べてくるから」


私はシートベルトを外し、反対側のドアから外に出た。
こういうクソ生意気な奴とは関わらないに限る。
そう思ったのに、アイツは私の後をつけてきた。


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