その恋を残して
第1章 好きにならないで!
※ ※
「松名ぁ、よそ見するな!」
四限目の現国の授業中。このクラスの担任教師である木崎夏芽(きさきなつめ)は、ぶっきらぼうな口調で俺に注意を与えた。
木崎先生は一応女性ではあるが、なんと言うべきか。どちらかと言うと男性的なイメージである。とにかく言葉遣いが荒いし、本人には絶対に言えないが、そこはかとなく女性らしい繊細さに欠けている。
まあ、外見は一応美人と言えるのかもだが……。年齢は頑なに公表しようとしない。一説によれば三十オーバーらしいので、独身女性にしてみれば、隠したくなる気持ちも理解はできなくもない。
年齢を気にする辺りの心情が辛うじて、女性らしさを残していると言うべきであろうか?
「返事!」
「は、はい……すみません」
ともかく、よそ見をしていたのは事実であったので、とりあえず素直に謝っておく。
「期末も近いんだから集中しろ。じゃあ、続き――」
お叱りを受けると、授業が再開される。ホッと胸を撫で下ろしつつ、俺は形だけ教科書に目を向けた。
申し訳ないのだが、この後も木崎先生の授業には集中はできそうもない。否、木崎先生の授業に限らず、今日は朝からずっとそんな感じだった。
「松名ぁ、よそ見するな!」
四限目の現国の授業中。このクラスの担任教師である木崎夏芽(きさきなつめ)は、ぶっきらぼうな口調で俺に注意を与えた。
木崎先生は一応女性ではあるが、なんと言うべきか。どちらかと言うと男性的なイメージである。とにかく言葉遣いが荒いし、本人には絶対に言えないが、そこはかとなく女性らしい繊細さに欠けている。
まあ、外見は一応美人と言えるのかもだが……。年齢は頑なに公表しようとしない。一説によれば三十オーバーらしいので、独身女性にしてみれば、隠したくなる気持ちも理解はできなくもない。
年齢を気にする辺りの心情が辛うじて、女性らしさを残していると言うべきであろうか?
「返事!」
「は、はい……すみません」
ともかく、よそ見をしていたのは事実であったので、とりあえず素直に謝っておく。
「期末も近いんだから集中しろ。じゃあ、続き――」
お叱りを受けると、授業が再開される。ホッと胸を撫で下ろしつつ、俺は形だけ教科書に目を向けた。
申し訳ないのだが、この後も木崎先生の授業には集中はできそうもない。否、木崎先生の授業に限らず、今日は朝からずっとそんな感じだった。
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