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その恋を残して

第7章 眠り姫……か

    ※    ※


 この時のことは不思議な感覚として、後になっても俺の中に残されることになる。



 蒼空……?



 その名を呼ぶ俺自身が、起きているのか眠ってしまったのか、それすらも定かではなくって――。


 けれど、真っ暗な闇の最中に、俺は確かにその姿を見つけた。


 一部だけぼんやりと光が差したような場所に、制服を身に着け膝を抱えて座っている少女は――


 まるで周囲の闇を恐れるように、決してその顔を上げようとしない。


 だから、俺は近づいて――そっと、その肩に手を置くと――



 蒼空……



 と、もう一度、その名を呼ぶ。


 すると、彼女はその顔を上げて、その刹那――



 ああっ……!



 眩しい光が、闇を消し去っていった――。


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