その恋を残して
第2章 好きじゃないから……
※ ※
俺はこの日、いつものように学校を帰ろうとしている。校門の所で、少し振り向いてみるけど、今日は誰も俺を呼び止めはしない。
別にそれを寂しいと思う訳ではなかった。別にいつもと同じ。この二日間がちょっとだけ特別だっただけなのだろう。
善くも悪くも、その特別を味あわせてくれたのが帆月蒼空だ。しかし、保健室の一件の後は、特に話す機会はなかった。なにやら複雑な想いにかられつつ、俺は学校を後にして歩き始める。今日はバイトがあるから、グズグズしている訳にもいかなかった。
歩きながら、俺はやはり帆月のことを考える。相変わらず捉え処はないのだけど、それでも彼女と接し話したことから、見えてきそうなこともあるように思えていた。
今日、話して改めて実感したことがある。それは、帆月が持ち合わせている二面性についてだ。俺の前では、昨日の帆月と今日の帆月の態度は明らかに違っている。
だが二面性など、広い意味で考えれば人間誰しも持っているだろう。例えば、表の顔と裏の顔。そんな言い方は割と良く耳にするし。あと、本音と建て前とか、それに類似したものならば、別に特別なことでもないのだろう。
そう考えれば帆月は、まだこの学校に来て日が浅い。素の自分と余所行きの自分が混同してしまうことだって、十分に考えられた。
だから、彼女が極端な二面性を有していると決めつけるのは乱暴に思う。しかし、そんな部分を差し引いても、彼女の俺に対する言動は不可解ではあった。
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