その恋を残して
第1章 好きにならないで!
「ホント素直じゃねーよな。ま、いいけど。ライバルは多そうだぞ」
俺たちは、ふと帆月の方に視線を向ける。数人の女子に囲まれた彼女を遠巻きに眺める男子の数は少なくない。
その一員と思われることをおそれて、俺は彼女から視線を逸らした。というよりも正直、再び帆月と目を合わせることが怖い。
「アレは、トラウマレベルだよ……」
「なにソレ?」
田口は不思議そうに、俺を眺めた。
授業も終わり。帰宅部である俺は家に帰るべく、昇降口で靴を履き替えていた。
今日も、いつもと変わらない一日。編入生が一人、クラスに来た。それだけの日。明日からも特に変わったことはあるまい。そんな風に思い、歩き始めた時のこと。
「あの……」
聞き覚えのない女の声に、俺は振り向いた。
「!」
そして、俺は驚く。何故なら、そこに居たのが、帆月蒼空だったから……。
「……な、なに?」
俺はおそるおそると、そう訊ねる。彼女は今日編入してきたばかり。まだ、俺とは一言も口を利いていない。俺を呼び止める理由など、皆目見当もつかなかった。
「もし、私の勘違いだったら謝ります」
帆月は俯き加減に、そう切り出した。
「はあ……」
呆然とその姿を眺める俺にとって、帆月の次の言葉は実に意外なものとなる。
「迷惑――なんです」
「は……?」
なにが? と思ったが、言葉にはならなかった。ただ、俺を見上げる帆月の顔が思ったより近くて、俺は視線を泳がせる。
顔面が紅潮してゆくのが、自分でもわかった。
俺たちは、ふと帆月の方に視線を向ける。数人の女子に囲まれた彼女を遠巻きに眺める男子の数は少なくない。
その一員と思われることをおそれて、俺は彼女から視線を逸らした。というよりも正直、再び帆月と目を合わせることが怖い。
「アレは、トラウマレベルだよ……」
「なにソレ?」
田口は不思議そうに、俺を眺めた。
授業も終わり。帰宅部である俺は家に帰るべく、昇降口で靴を履き替えていた。
今日も、いつもと変わらない一日。編入生が一人、クラスに来た。それだけの日。明日からも特に変わったことはあるまい。そんな風に思い、歩き始めた時のこと。
「あの……」
聞き覚えのない女の声に、俺は振り向いた。
「!」
そして、俺は驚く。何故なら、そこに居たのが、帆月蒼空だったから……。
「……な、なに?」
俺はおそるおそると、そう訊ねる。彼女は今日編入してきたばかり。まだ、俺とは一言も口を利いていない。俺を呼び止める理由など、皆目見当もつかなかった。
「もし、私の勘違いだったら謝ります」
帆月は俯き加減に、そう切り出した。
「はあ……」
呆然とその姿を眺める俺にとって、帆月の次の言葉は実に意外なものとなる。
「迷惑――なんです」
「は……?」
なにが? と思ったが、言葉にはならなかった。ただ、俺を見上げる帆月の顔が思ったより近くて、俺は視線を泳がせる。
顔面が紅潮してゆくのが、自分でもわかった。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える