その恋を残して
第4章 二人で一人なのです
その時、気づかぬ内に到着していた車から、蒼空が飛び出てきた。いつもと違い、自らドアを開けて――。
「ごめんなさい。待ちましたか?」
俺の側に駆け寄って、言う。
「大丈夫。じゃあ、行こうか」
「はい。では、いってまいります、沢渡さん」
「いってらっしゃいませ。どうぞ、お気をつけて――」
沢渡さんは、車の傍らに立ったまま一礼をした。
「――?」
一瞬だけ合わせた沢渡さんの視線に、僅かながら気になるものを感じながら、俺は蒼空と並んで歩き始めた。
このコンビニから学校までは、歩いて五分といったところ。
それだけの距離を、それでも一緒に歩きたいと蒼空は思ってくれている。俺はそれが嬉しかった。
「一日おきに学校に来るのって、やっぱり不安?」
「そうですね。特に初日は不安でした。あ、編入した初日は怜未だったから、二日目ということになりますね。校門を入る時はとても緊張していました。そしたら、松名くんが声をかけてくれて――」
「あ、そうだった。ゴメン。突然、知らない奴から声をかけられて驚いたんじゃない?」
蒼空は静かに顔を、左右に振る。
「松名くんの顔は、わかっていて――だから私は、寧ろホッとしていたんですよ」
「わかっていた?」
「はい。怜未が前の日に、会っているから」
「そういえば、知識や情報は二人で共有できるって言ってたっけ。じゃあ、俺がクラスメイトだとわかっていたからホッとしたよいう意味?」
「それは……少し違います」
「ごめんなさい。待ちましたか?」
俺の側に駆け寄って、言う。
「大丈夫。じゃあ、行こうか」
「はい。では、いってまいります、沢渡さん」
「いってらっしゃいませ。どうぞ、お気をつけて――」
沢渡さんは、車の傍らに立ったまま一礼をした。
「――?」
一瞬だけ合わせた沢渡さんの視線に、僅かながら気になるものを感じながら、俺は蒼空と並んで歩き始めた。
このコンビニから学校までは、歩いて五分といったところ。
それだけの距離を、それでも一緒に歩きたいと蒼空は思ってくれている。俺はそれが嬉しかった。
「一日おきに学校に来るのって、やっぱり不安?」
「そうですね。特に初日は不安でした。あ、編入した初日は怜未だったから、二日目ということになりますね。校門を入る時はとても緊張していました。そしたら、松名くんが声をかけてくれて――」
「あ、そうだった。ゴメン。突然、知らない奴から声をかけられて驚いたんじゃない?」
蒼空は静かに顔を、左右に振る。
「松名くんの顔は、わかっていて――だから私は、寧ろホッとしていたんですよ」
「わかっていた?」
「はい。怜未が前の日に、会っているから」
「そういえば、知識や情報は二人で共有できるって言ってたっけ。じゃあ、俺がクラスメイトだとわかっていたからホッとしたよいう意味?」
「それは……少し違います」
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