その恋を残して
第4章 二人で一人なのです
その俺の意図が、蒼空にも伝わったのだろう。
「ありがとうございます」
蒼空は嬉しそうに微笑んでくれた。
その顔を見た瞬間である。
「蒼空……俺と付き合ってくれないか。その……ちゃんと、恋人として」
なんの前触れもなく、特に覚悟を決めることもせずに。俺は彼女に、そう言った。
蒼空の瞳に反射した夕陽の光が、微かに揺らめく。
「嬉しいです。私もそうなりたいと、思っていましたから……」
それを聞き、俺たちは恋人同士になったのだと確信する。俺の身体の中は喜びで満たされ、今にも弾けてしまいそうだった。
だけど、その直後。それは思い違であることを、俺は想い知ることとなる。
「だけど……今はまだ、お返事することができません」
「ど……どうして? だって……」
「私と松名くんは、お互いの気持ちを確認しました」
「だったら――」
そう言いかけた俺を見ながら、蒼空はゆっくりと首を振った。
「でも、松名くんと怜未は、まだだから……」
「えっ――?」
俺と怜未が……なん、だって……?
唖然とする俺をよそに、蒼空は変わらず柔らかな微笑みを浮べていた。
「怜未と松名くんが、気持ちを通じ合えた時に、初めて私たちは恋人になれると思うんです」
その言葉は、俺を愕然とさせる。
そんな俺をよそに、蒼空はそれまでの微笑みをスッと消した。そして、さも当然の事実を伝えるように、こう言ったのである。
「私と怜未は――二人で一人なのです」
「ありがとうございます」
蒼空は嬉しそうに微笑んでくれた。
その顔を見た瞬間である。
「蒼空……俺と付き合ってくれないか。その……ちゃんと、恋人として」
なんの前触れもなく、特に覚悟を決めることもせずに。俺は彼女に、そう言った。
蒼空の瞳に反射した夕陽の光が、微かに揺らめく。
「嬉しいです。私もそうなりたいと、思っていましたから……」
それを聞き、俺たちは恋人同士になったのだと確信する。俺の身体の中は喜びで満たされ、今にも弾けてしまいそうだった。
だけど、その直後。それは思い違であることを、俺は想い知ることとなる。
「だけど……今はまだ、お返事することができません」
「ど……どうして? だって……」
「私と松名くんは、お互いの気持ちを確認しました」
「だったら――」
そう言いかけた俺を見ながら、蒼空はゆっくりと首を振った。
「でも、松名くんと怜未は、まだだから……」
「えっ――?」
俺と怜未が……なん、だって……?
唖然とする俺をよそに、蒼空は変わらず柔らかな微笑みを浮べていた。
「怜未と松名くんが、気持ちを通じ合えた時に、初めて私たちは恋人になれると思うんです」
その言葉は、俺を愕然とさせる。
そんな俺をよそに、蒼空はそれまでの微笑みをスッと消した。そして、さも当然の事実を伝えるように、こう言ったのである。
「私と怜未は――二人で一人なのです」
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