その恋を残して
第6章 ここにいるよ
「別にいいよ……説明する手間が省けて、寧ろ助かるかな。だったら松名くんは、知っているんだね。私が蒼空の中に巣くう――別の人格だってこと」
「そ、そんな言い方するなよ……。まだ、それが絶対に真実というわけではない」
「ううん、違う! 私にとっては、それこそが真実だよ!」
「――!」
怜未は攻撃的な口調で、俺を圧倒していた。そして、少し間をおいてから、今度は冷静な口調で話し始めた。
「私からしたら、どっちでも同じことなの。私はいつか……もらった半分の時間を、蒼空に返さなければいけない。だから……」
「蒼空が、それを望んでなくても?」
「…………」
「蒼空は怜未と共に生きることを望んだはず。それどころか、蒼空は怜未がいないと生きてさえゆけないのかもしれない。そう、考えたことはないのか?」
「それは、違う。仮に、前はそんな時期があったとしても……今は、違う」
「今は――?」
「だって、今は……松名くん。蒼空には、貴方がいるから」
「――!」
「蒼空は本当に、松名くんが好きなの。今だって、きっと逢いたいと思っているわ。だから、松名くんが蒼空を支えてくれるのなら。私が消えたとしても、きっと――」
「駄目だ!」
そう強く否定した俺に、怜未は失望したような眼差しを向けた。
「駄目だって、どういうこと……? まさか、蒼空を支えられないと言うの……?」
「違う。そうじゃない」
「じゃあ、どういう意味? 蒼空は、心の病気なのよ。どうして貴方が、それを治してあげたいと思わないの!」
「だって……俺は、怜未が消えるなんて……それが、嫌だから」
それを聞いた怜未は、とても複雑な表情を浮かべた。そして――
「どうして……わかってくれないのよ……」
肩をすぼめて俯いた怜未。その身体がワナワナと震える。
「怜未なんて……最初からいないの。三年前に、もう死んでいるんだよ……」
今にも、その場に崩れそうになる怜未を目にした時。
――!?
俺は堪らずに、その身体を抱きしめていた。
「そ、そんな言い方するなよ……。まだ、それが絶対に真実というわけではない」
「ううん、違う! 私にとっては、それこそが真実だよ!」
「――!」
怜未は攻撃的な口調で、俺を圧倒していた。そして、少し間をおいてから、今度は冷静な口調で話し始めた。
「私からしたら、どっちでも同じことなの。私はいつか……もらった半分の時間を、蒼空に返さなければいけない。だから……」
「蒼空が、それを望んでなくても?」
「…………」
「蒼空は怜未と共に生きることを望んだはず。それどころか、蒼空は怜未がいないと生きてさえゆけないのかもしれない。そう、考えたことはないのか?」
「それは、違う。仮に、前はそんな時期があったとしても……今は、違う」
「今は――?」
「だって、今は……松名くん。蒼空には、貴方がいるから」
「――!」
「蒼空は本当に、松名くんが好きなの。今だって、きっと逢いたいと思っているわ。だから、松名くんが蒼空を支えてくれるのなら。私が消えたとしても、きっと――」
「駄目だ!」
そう強く否定した俺に、怜未は失望したような眼差しを向けた。
「駄目だって、どういうこと……? まさか、蒼空を支えられないと言うの……?」
「違う。そうじゃない」
「じゃあ、どういう意味? 蒼空は、心の病気なのよ。どうして貴方が、それを治してあげたいと思わないの!」
「だって……俺は、怜未が消えるなんて……それが、嫌だから」
それを聞いた怜未は、とても複雑な表情を浮かべた。そして――
「どうして……わかってくれないのよ……」
肩をすぼめて俯いた怜未。その身体がワナワナと震える。
「怜未なんて……最初からいないの。三年前に、もう死んでいるんだよ……」
今にも、その場に崩れそうになる怜未を目にした時。
――!?
俺は堪らずに、その身体を抱きしめていた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える